- 複業クラウドを選んだ理由・コストパフォーマンスがよく採用後に追加費用がかからないため。
- 導入前の課題・会社の設立にあたって弁護士と社労士を採用したい。 ・海外展開をしている自社の将来を見据えて制度を整えてくれる方がよい。
- 導入後の効果・導入後すぐにメルカリ出身の社労士を採用。 ・「来週から関わってもらえますか?」と言えるスピーディーさがよい。 ・日本語だけでなく、英語でも候補者をスクリーニングできるため採用効率もアップした。
ユニコーンを目指すスタートアップと、メルカリ出身の社労士をつなげた“複業マッチング”
創業期の採用は会社の将来を決める重要な業務です。なかでも税務、法務、労務を担うメンバーは、会社の土台を担うポジション。成長に耐えうる制度の策定が必要です。
今回は複業クラウドを経由して、人事労務に関わる社労士を採用したZeBrandにインタビュー。CEOの菊池諒氏と、株式会社LABOTでCHRO(最高人事責任者)として活躍するかたわら、OSHO社会保険労務士代表としてスタートアップに対して人事労務のアドバイスを行っている、横井良典氏にお話を伺います。
菊池諒 氏
ZeBrand Founder&CEO
2008年に国内フォント業界最大手のモリサワに新卒入社、営業本部を経て、2012年に米国の美術大学Rhode Island School of Designにリサーチフェローとして留学。帰国後、アプリ・フォント部門を経験し、17年10月にMORISAWA BRAND NEW Labを設立、新規事業として立ち上げた『ZeBrand』は2019年10月にモリサワからスピンオフし、米国法人と日本法人を同時設立し代表に就任。
横井良典 氏
株式会社LABOT CHRO,OSHO社会保険労務士事務所 代表
禅宗のお寺に長男として生まれ、両親ともに教師という家庭に育つ。大学卒業後、人材ビジネス、社労士事務所、民間企業で人事労務を中心とした業務に従事。2016年より拡大期の株式会社メルカリで人事労務を担当。2020年1月OSHO社会保険労務士事務所を設立。複業クラウドを介して、ZeBrandの労働・社会保険関係の相談業務にも携わる。
ZeBrandは2019年2月にβ版をローンチしたサービスだと聞いています。具体的にはどのようなサービスなのでしょうか?
菊池:ZeBrandは、ブランディング支援ツールを自動作成するWebサービスです。ユーザーがビジョン・事業領域・ミッション・コアバリュー・ロゴをインプットすると、AIがカラーやタイポグラフィを提案してブランドツールキットを作成してくれます。ターゲットは2〜10名規模の創業間もないスタートアップです。完成したツールはビジョンやマインドの社内共有に使われ、チームビルディングに役立てられています。
ZeBrandは95年続くフォントメーカー、モリサワからスピンオフした会社です。モリサワは日本ではデファクトスタンダードとして知られていますが、海外での知名度がそこまで高くなく、GoogleやAdobeが無料でフォントを提供開始するなど業界構造が変化する兆しがありました。このままでは海外だけでなく国内市場も大きな変化が予想される。そこでイントレプレナー制度を立ち上げ、フォントのみならずその概念を包含する”ブランディング領域”に着目しました。海外のスタートアップをはじめ、あらゆる方々へ向けブランディングを届けるために誕生したのがZeBrandだったのです。
サービスはフリーミアムモデルで、アメリカをメイン市場に据えているそうですね。
菊池:2020年からは有償化も試験的に始めており、アメリカのスタートアップをメインターゲットにしています。アメリカはスタートアップの数が多く、大きな投資資金も動いています。リサーチを重ねる中で、キャズムを越える成長のためにはインナーブランディングも重要だと仮説を立てることができました。それらの企業をターゲットに、ZeBrandは2025年までに時価総額10億ドルのユニコーン企業を目指しています。滑り出しは好調で、ユーザー数は2019年12月に2万3000を突破し、20カ国以上で使われるプロダクトになりました。
歴史ある企業からスピンオフした企業なので、人事周りの影響や制約も大きかったのではないでしょうか。
菊池:元々はモリサワの社内プロジェクトでしたので、人員を出向してもらう話もありました。しかし私は独立性を保ちたかったので、コアメンバーだけモリサワからの出向として、設立後の社員は自力で見つけています。現在は日米で法人を設立し、コアメンバーは2つの国で5名。必要に応じて外部の力を借りています。
設立当時はどのような課題があり、どのような人材を欲していたのでしょうか。
菊池:当時は設立にあたって税務、法務、労務を担うメンバーが必要でした。税理士さんは知り合いにいたんです。残る弁護士さんと社労士さんを探していましたが、私たちは海外展開をしていますし、規模も大きくしていきたいので、将来を見据えて制度を整えてくれる人材が必要でした。
横井さんとは複業クラウド経由で出会いましたが、私自身、会社の設立は初めてでしたし、どの職種をどの順番で採用すれば良いのかも分かっていなかった。そのような状況下で、スポットで協力してくれる横井さんを見つけることができ、すごく助かりました。
横井:当時はメルカリを退社し、どのような環境で働こうかと模索をしていました。菊池さんに会ってみると、会社のミッションやビジョンを大切にした組織運営をされていることや、モリサワという伝統的な会社からスピンアウトして新しいチャレンジをしようとしている姿勢に共感しました。
菊池:ZeBrandは他社の社内ブランディングを支援するツールです。私たちもカルチャーやビジョンを持ち、体現しなければ説得力がない。横井さんはメルカリでビジョンドリブンやコアバリューの大切さを学んでいましたし、数千人規模の労務管理を行なっていました。私たちにとって、まさにドンピシャな人材だったのです。
その後、横井さんからのリファラルで海外法務に詳しい弁護士さんを見つけ、無事設立期の課題を乗り越えることができました。
複業クラウドの使用感はいかがでしたか?
菊池:とにかく費用がかからないですね。月額料金のみで採用後に追加費用がかかることもありません。
現在採用を進めているのは、マーケティング、デザイン、ディレクター、エンジニアの分野です。複業クラウド経由では4名に会って2名を採用しています。みなさん複業前提なので話がスムーズですし、「来週から関わってもらえますか?」と言えるスピーディーさがいいですね。
菊池:日本語だけでなく、英語でも候補者をスクリーニングできますし、登録者のFacebookリンクが掲載されているので、人柄を知るのに役立ちました。ZeBrandはまだ規模の小さい会社ですし、メンバーのソーシャル力がリソースになります。そういう点でもSNSリンクの掲載は助かります。
総合的にはとても満足しています。優秀な人材は繋がりを持てるだけで嬉しくて。将来的にジョインしてもらえる可能性もありますし、協業もできるかもしれない。まず複業で関わっていただき、いずれ社員に、というキャリアパスも考えています。
採用後はどのように仕事を進めてもらっているのでしょうか?
横井:ここは私から伝えますね。立ち上げ当初は頻繁にSlackでやり取りをしていました。ジョインしたのは設立直後でしたし、社会保険や労働保険の手続きは菊池さんにとって初めてのことですので、わからないことが多かったと思います。私は何を優先して行うか、交通整理に専念しました。それは、経営者である菊池さんにビジネスを前に進めることに専念してもらえれば、と考えていたからです。
最後に、今後はどのような展開をしていきたいのか、人事面も併せてお聞かせください。
菊池:人事面では、今後も候補者にZeBrandのコアバリューを話して、共感してくださる方と関係を築きたいと思っています。私たちのフェーズは創業期にあたります。スピード感を重視しているので、弱みより強みを活かし、スキルやスポットで決めずに採用を進めていきたいです。
企業としては、やはりユニコーンを目指し、あらゆる方々へブランディングを届けたいと思っています。なぜかと言うと、私は新卒で入社したモリサワに恩義を感じているからです。モリサワの歴史ある文化を継承し、補完しながら非連続のイノベーションを繰り返していきたい。ZeBrandを成長させ続けることで受けた恩を返していきたいのです。
老舗企業が新しい事業に挑戦して、世界的なビジネスを生み出すことには社会的な意義があると思います。日本社会全体を見ても、まだイントレプレナーの潮流は大きくはありません。そのフィールドを活性化する先人になれたらと思っています。
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